「良い銘柄の条件は分かった。でも、その銘柄をどうやって見つけてくるの?」
高配当株の記事をここまで書いてきて、一番よく見えていなかったのがこの部分だと思います。10選や保有12選で「結果」はお見せしてきましたが、「過程」はお見せしていませんでした。
そこで今回は、先週僕が実際に新しい6銘柄を単元未満株で約7万円ぶん買うまでの一部始終を、そのまま記事にします。使ったのは無料ツールだけ。同じ手順は誰でも再現できます。
※本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。登場する銘柄は「僕がこの手順で買った実例」であり、投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
この記事を書いた人
フク|経理×投資×筋トレ
- アラフォーの会社員。一般企業で経理・財務を担当
- 新NISAをS&P500で積立中。特定口座では保有銘柄数164、年間配当手取り9万円
- 米国高配当ETF(VYM・HDV・SPYD)も特定口座で運用中
- ジム通い、バイクでのツーリングが趣味
- 「複利で健康・資産・楽しい事を同時に育てる」がモットー
- ブログ「複利ノート」運営
経理の仕事は「予測」より「確認」の積み重ねです。投資でも同じで、当てにいくのではなく、確認できることを確認してから動く——このスタイルに落ち着いてから、買ったあとに後悔することが目に見えて減りました。
僕の探し方は3ステップ
先に全体像です。
| ステップ | やること | 使うもの |
|---|---|---|
| ① 候補を集める | 気になる銘柄を10個前後リストアップ | ランキング・AI・スクリーナーなど何でも |
| ② 財務の質でふるいにかける | 6項目チェックで「長く持てる会社」だけ残す | IRバンク(無料) |
| ③ 「今か」を判断する | その銘柄の“普段”と比べて高くないか確認 | 株価チャート・過去の利回り |

ポイントは、①はどこから始めてもいいけれど、②と③は省略しないこと。順番に説明します。
STEP1|候補を集める——入り口は何でもいい
候補集めの入り口に「正解」はありません。僕がよく使うのはこの5つです。
- Yahoo!ファイナンスの配当利回りランキングから探す(僕はここから探すことが一番多いです)
- 証券会社やマネー誌の高配当ランキングを眺める
- 保有銘柄の同業他社を調べる(比べると業界の景色が見えてきます)
- 証券会社のスクリーナーで条件検索する
- そして今回試したのが——AIに条件を投げて探させる
実験:AIに「利回り3.5〜4.5%の財務優良株」を探させてみた
今回は実験として、AIに「配当利回り3.5〜4.5%・財務優良・僕がすでに保有していない銘柄」という条件で候補を出させてみました。範囲を絞ったらどんな銘柄を提案してくるのか、見てみたかったんです。
結果は、候補8銘柄。連続増配20年超の銘柄や、自己資本比率80%台の会社がきちんと混ざっていて、入り口としては十分に使えるという感触でした。
ただし、ここで大事なことをひとつ。
AIが出すのは「候補」であって「答え」ではありません。
データが古いことも、その会社の事情を知らないこともあります。実際、候補の中には「今期だけ配当性向が跳ね上がって見える銘柄」が混ざっていました(決算を確認するまで判断できないタイプです)。入り口はAIでもランキングでも構いませんが、ここから先のふるいは自分の基準でやります。
STEP2|財務の質でふるいにかける——6項目チェック
候補が集まったら、配当投資の始め方でも紹介した6項目でふるいにかけます。
- 配当利回り3〜4%程度(この辺りのレンジに集まっている傾向がある、というだけです)
- 売上・EPS・営業CF・現金が右肩上がりの傾向
- 営業利益率10%以上が理想(業種によっては5%程度で検討範囲)
- 自己資本比率60〜80%以上(最低でも40%)
- 配当性向30〜50%程度
- 連続配当10年以上
確認はすべて無料サイトのIRバンクでできます。銘柄名で検索して、「決算」のページを開くと、売上からキャッシュフロー、配当の推移まで年表形式で並んでいます。1銘柄あたり5分もかかりません。ただしこれはあくまで「ふるい」の段階。比較検討したうえで、最終的に買うと決める前には、改めてじっくり分析します。
実例:通過した銘柄・保留にした銘柄
今回の候補から、たとえばこんな判断をしました。
✅ 通過:コムチュア(3844)
連続増配21期・自己資本比率76%・配当性向約50%。ITサービスで営業利益率も2桁。6項目がきれいに揃っていました。
⏸ 保留:ある高利回り銘柄
利回り4%超・自己資本比率80%台と数字は魅力的でしたが、今期予想の配当性向が100%を超えて見える状態でした。記念配当なのか、減益で一時的にそう見えるだけなのか——決算資料を読むまで判断できないので、いったん見送り。「分からないものは買わない」もルールのうちです。
⚠️ 物差しを変える:リース業
増配20年超のリース会社も候補に出てきましたが、リース業は事業の性質上、自己資本比率がひと桀〜十数%になるのが普通です。この業種だけは自己資本比率の物差しをそのまま当てず、別枠で考えます(僕の保有では三菱HCキャピタルがこの枠です)。
STEP3|「今か」を判断する——その銘柄の“普段”と比べる
質のふるいを通った銘柄を、すぐには買いません。最後に「今買っていい価格か」を確認します。
といっても、株価の底を当てにいくわけではありません。僕が見るのは「その銘柄の普段と比べて、今は高くないか」。具体的にはこの3つです。
- 過去の利回りレンジと比べる——普段3%前後の銘柄が3.8%なら「普段より割安かもしれない」。普段どおりなら慌てない
- PBR・PERが普段の水準か——過去数年のレンジから大きく上に外れていないか
- 株価の推移を見る——急騰した直後なら見送って次の機会を待つ。急落していたら、理由(減配・業績悪化)を確認してから
要するに、「安い日を当てる」のではなく「普段より高い日に買わない」という考え方です。この価格の物差しについては高配当株の買い時はいつ?で詳しく書いています。
とはいえ、将来の株価は誰にも分かりません。利回りが現状でもそこそこある場合などは、大きく買いすぎない程度に買ってみることもあります。
逆に、財務は優良だけれど過去の利回りと比べて現状が低い銘柄は、いったん買わずに候補銘柄リストに入れておきます。チェックするのは月1回のタイミングや、相場全体が下がったときだけ。
常に株価をチェックしていたら、普段の生活がままならなくなります。自分でタイミングを決めておいて、それ以外は忘れているくらいでいい。今目の前の仕事や生活に集中すると割り切る方が、精神衛生上も良いと個人的には考えています。
STEP4(おまけ)|買い方——1銘柄1万円から
ここまで通った銘柄を、僕は1銘柄あたり1万円前後から買います。単元未満株なら数株ずつ買えるので、「間違えたかも」と思ってもダメージが小さく、気に入ったら少しずつ買い増せばいい。
今回、実際に買った6銘柄です(すべて単元未満株・合計約7万円)。
| 銘柄 | 業種 | 買った理由(僕のメモ) |
|---|---|---|
| ショーボンドHD(1414) | インフラ補修 | 自己資本比率82%・ROE14%。道路や橋の補修は景気に左右されにくい |
| プラネット(2391) | 卸向けEDI | 増配21期・自己資本比率83%。地味だけど止まらないインフラ |
| あさひ(3333) | 自転車小売 | 自己資本比率71%。生活密着で不況に強い |
| コムチュア(3844) | ITサービス | 増配21期・6項目ほぼ満点。今回の優等生 |
| 東計電算(4746) | 情報処理 | 無借金経営・自己資本比率80% |
| 上組(9364) | 港湾物流 | 利回り4.2%・自己資本比率75%。港の仕事はなくならない |
6銘柄で業種もインフラ補修・EDI・小売・IT×2・物流ときれいに散りました。1銘柄あたり1万円前後なので、全部合わせても約7万円。この「小さく始めて、確かめながら増やす」やり方が、164銘柄に分散してきた僕の基本形です。
🧩 1銘柄1万円で買い足していくと、次に迷うのが「何銘柄まで増やすか」です。30銘柄・10業種から始めて、管理できる範囲で増やす考え方を別記事にまとめました。 → 「高配当株は何銘柄に分散すべき?164銘柄まで増やした経理マンが「今からやるなら」を解説【2026年版】」
まとめ:入り口は自由、ふるいは厳格に
- 候補集めはランキングでもAIでも何でもいい。ただしそれは「候補」であって「答え」ではない
- 財務6項目のふるいだけは省略しない。IRバンクで1銘柄5分
- 最後はその銘柄の“普段”と比べて、高くない日に買う。底当ては狙わない
- 迷ったら候補リストへ。チェックは月1回だけ、あとは目の前の生活に集中
- 買うときは1銘柄1万円前後から。単元未満株で小さく確かめる
探し方に才能は要りません。同じ手順を淡々と回すだけです。来月も僕はこのやり方で、気になる銘柄をふるいにかけていると思います🔍
※本記事は執筆時点の筆者の考え方の紹介であり、将来の株価・配当を保証するものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
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おすすめ証券口座
分割買いや単元未満株を使うなら、1株から手数料を気にせず買えて、保有銘柄の利回りが見やすい証券口座だと、この記事のやり方がそのまま実践できます。
| 証券会社 | 強み | 単元未満株 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 楽天証券 | 楽天ポイント連携・画面が見やすい | ◎(かぶミニ) | ★★★ |
| SBI証券 | 業界最大手・銘柄数が豊富 | ◎(S株) | ★★★ |
僕は運用をいまは楽天証券に集約しています。買付の画面で配当利回りがすぐ確認でき、月1回の見直しがスマホで完結するのが気に入っています。
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本記事は筆者の経験と分析に基づく情報提供であり、特定の銘柄・金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。株式投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任で行ってください。記事中の考え方・基準は執筆時点の筆者個人のものであり、将来の株価・配当・利回りを保証するものではありません。最新の情報は各企業の公式IR・証券会社の案内、およびIRバンク等の情報サイトでご確認ください。


