高配当株は何銘柄に分散すべき?164銘柄まで増やした経理マンが「今からやるなら」を解説【2026年版】

高配当株投資

「高配当株って、何銘柄くらい持てばいいか?」

高配当株投資は、一部の業種の数社に集中投資するのではなく、業種や銘柄を広く分散させることが大事だと、これまでお話ししてきました。配当投資の始め方でも売り時の記事でも、補足として短く触れてきましたが、まとまった記事にはしていませんでした。

僕の保有は今、164銘柄(国内160銘柄+ETF4本)です。先に言っておくと、この数は「結果」であって「おすすめ」ではありません。むしろ増やしすぎた側の人間として、今から始める人には別の答えを出します。

この記事では、164銘柄の中身を業種別の実データでお見せしたうえで、「何銘柄から始めて、どこまで増やしていいのか」を管理の手間から逆算して考えます。

※本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。銘柄数や業種の考え方は筆者個人の経験にもとづくもので、投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

この記事を書いた人

フク|経理×投資×筋トレ

  • アラフォーの会社員。一般企業で経理・財務を担当
  • 新NISAをS&P500で積立中。特定口座では保有銘柄数164、年間配当手取り9万円
  • 米国高配当ETF(VYM・HDV・SPYD)も特定口座で運用中
  • ジム通い、バイクでのツーリングが趣味
  • 「複利で健康・資産・楽しい事を同時に育てる」がモットー
  • ブログ「複利ノート」運営

経理の仕事は「予測」より「確認」の積み重ねです。投資でも同じで、当てにいくのではなく、確認できることを確認してから動く——このスタイルに落ち着いてから、買ったあとに後悔することが目に見えて減りました。

結論:最初は30銘柄・10業種以上。それ以上は「管理できる範囲」で

先に結論です。

  • 始めるときは30銘柄・10業種以上を目安にする
  • そこから先は、自分が決算と記録を追える範囲まで増やす
  • 僕の実感では、80〜100銘柄あたりが「見ていない銘柄」が出てくる境目

なぜ30銘柄かというと、1つの銘柄が減配や不祥事で大きく下がっても、全体への影響を3%程度に抑えられる目安だからです。10銘柄なら1銘柄の影響は10%。これは1回の減配でその月の配当が目に見えて減る大きさです。

なぜ業種10以上かというと、同じ業種の会社は、同じ理由で同時に下がるからです。金利が上がれば不動産と金融がまとめて調整し、原油が動けば輸送用機器と化学が一緒に揺れます。30銘柄持っていても、3業種に固まっていたら、実質は3つの賭けをしているのと変わりません。

そして「上限」は人によって違います。決算を年に何回見られるか、入金の記録を続けられるか。ここは後半で数字にして考えます。

なぜ僕は164銘柄になったのか(結果であって推奨ではない)

僕が高配当株を始めたのは、元手30万円で30銘柄からでした。財務のチェックリスト(探し方の記事で紹介した6項目)を通った会社を、1銘柄1万円前後の単元未満株で買う。この「1銘柄1万円方式」を続けた結果が、今の164銘柄です。

増えた理由はシンプルで、1万円ずつ買うと決めると、良い候補が見つかるたびに銘柄が増えるからです。先週も6銘柄を約7万円ぶん買い足しました。既存の銘柄を買い増すより、新しい会社を1万円だけ試すほうが、失敗したときのダメージが小さい。この判断自体は今も正しいと思っています。

ただ、正直に書くと副作用もあります。

  • 決算チェックが追いつかない。年2回の決算×160銘柄=320回の確認は、月1回の見直しでは回りきりません
  • 記録や集計をしようと思うと手間がかかる。入金のたびに1行増えるうえ、投資先の企業から届くはがきや郵便物も銘柄数のぶんだけ増えて、正直邪魔になります
  • 同業をすでに持っていたことを忘れる。先週、候補に挙がった会社を注文したあとで「同じ会社をすでに持っている」と気づき、約定前に取り消しました

3つ目は経理の仕事をしている人間としては少し恥ずかしい話ですが、銘柄数が100を超えたあたりから、こういうことが起きるようになりました。

分散は「銘柄数」より「業種数」で見る(実データ)

では、164銘柄は実際にどう散っているのか。東証の33業種区分で集計したのがこの図です。

高配当株164銘柄の業種別内訳。東証33業種のうち26業種に分散し、上位5業種で約48%、最大のサービス業でも15%
164銘柄の業種別内訳(2026年9月時点・東証33業種区分で集計)

国内の個別株160銘柄は、33業種のうち26業種に散っています。上位5業種(サービス業・化学・情報通信・卸売・その他金融)で全体の約48%、最大のサービス業でも15%です。1つの業種が3割を超えるような偏りはありません。

ここで見てほしいのは、「銘柄数が多い=分散できている」ではないということです。

  • 30銘柄でも10業種に散っていれば、金利・原油・為替のどれか1つで全体が沈むことは起きにくい
  • 100銘柄でも金融・不動産・商社の3業種に固まっていれば、金利上昇の局面ではまとめて調整する

経理の目で言うと、業種は「景気に敏感か、鈍感か」の2つに分けて見ると自分の偏りが分かります。輸送用機器・化学・卸売は景気に敏感、食料品・医薬品・情報通信・インフラ系は比較的鈍感。両方を持っておくと、景気の局面が変わっても配当の入金が途切れにくくなります。

自分の保有がどう散っているかは、証券口座の保有一覧を業種で並べ替えるだけで確認できます。銘柄数を増やす前に、まずこの偏りを見ることをおすすめします。

何銘柄まで増やしていい?管理コストから逆算する

「上限は管理できる範囲」と書きましたが、これでは答えになっていないので、数字にします。

高配当株を持ち続けるための手間は、大きく3つです。

  1. 決算の確認:年2〜4回×銘柄数。減配や業績悪化のサインを見る
  2. 入金の記録:配当が入るたびに1行。年2回配当なら銘柄数×2行。管理のやり方は人それぞれだと思います
  3. ニュースの確認:減配・TOB・不祥事。これは銘柄数に比例して見落としが増える。TOBや株式分割は証券会社からのメールで気づけますが、減配は決算を見ないと分かりません

僕の場合、1銘柄の決算確認はIRバンクで2〜3分。月に2時間をこの作業に使うとすると、月に見られるのは40〜60銘柄です。年2回の決算を全銘柄で追うなら、現実的に回るのは80〜100銘柄あたりまで。これが始め方の記事でも書いた「80〜100が理想」の根拠です。

目安の出し方を式にすると、こうなります。

月に使える時間 ÷ 1銘柄あたりの確認時間 = 月に見られる銘柄数

月1時間・1銘柄3分なら20銘柄。この数を超えて持つなら、「見ない銘柄をつくる」か「確認の頻度を落とす」かのどちらかを、意識して選ぶことになります。

一方で、記録の手間は仕組みで軽くできます。僕は家計簿アプリに証券口座を連携して入金を自動で取り込み、月1回だけスプレッドシートに転記しています。記録が自動化されていれば、銘柄数が増えても毎月の集計は5分で終わります。決算確認だけは自動化できないので、そこが銘柄数の上限を決める、というのが僕の整理です。

📒 記録を自動にする具体的な手順はこちら。手入力ゼロの仕組みと、月1回は株価だけ見る理由を書いています。 → 「配当金の記録はどう付ける?164銘柄でも手入力ゼロ、月1回は株価だけ見る経理マンの管理法【2026年版】

銘柄数×1万円=必要資金の早見表

「30銘柄から」と言われても、いくら必要なのか分からないと始められないと思います。1銘柄1万円で買った場合の目安をまとめました。

銘柄数必要資金(1銘柄1万円)年間配当の目安(利回り3.5%・手取り約2.8%)
10銘柄10万円約2,800円
30銘柄30万円約8,400円
50銘柄50万円約14,000円
100銘柄100万円約28,000円

※利回りはあくまで目安です。実際の配当は銘柄と時期によって変わり、減配もあります。手取りは税率20.315%を引いた概算です。

30万円で30銘柄。これが僕のスタートラインでもありました。単元未満株なら1万円単位で買えるので、一度に30万円を用意しなくても、月3万円ずつ10か月かけて30銘柄にする、という進め方もできます。

月8,400円の配当は、正直に言って小さい額です。ただ、この額が「30社から少しずつ振り込まれている」という状態には、金額以上の意味があります。1社が減配しても、残りの29社は変わらず入金してくれるからです。

少ない銘柄数で分散したい人の選択肢(ETF併用)

「30銘柄を自分で選ぶ時間がない」という人もいると思います。その場合の現実的な選択肢が、高配当ETFを土台にして、日本の個別株を少しずつ足すやり方です。

僕自身も、米国の高配当ETFを3本(VYM・HDV・SPYD)特定口座で持っています。1本買えば数十〜数百社に分散されるので、個別株を選ぶ前の土台として使えます。3本の違いと使い分けは米国高配当ETFの比較記事にまとめています。

国内の高配当ETFもありますが、分配金の課税の扱いや経費率は商品ごとに違うので、買う前に確認したほうがいい、とだけ書いておきます。この記事では深掘りしません。

ETFで土台を作ってから個別株を10銘柄、20銘柄と足していく。この順番なら、最初から30銘柄を選ばなくても、分散の効いた状態から始められます。

まとめ:30銘柄・10業種から。164は真似しなくていい

  • 始めるときは30銘柄・10業種以上。1銘柄の影響を3%程度に、1業種の偏りをなくす
  • 分散は銘柄数より業種数で見る。同じ業種は同じ理由で同時に下がる
  • 増やす上限は決算を追える範囲。式は「月に使える時間÷1銘柄の確認時間」
  • 記録は仕組みで自動化できる。決算確認だけは自動化できないので、そこが上限になる
  • 164銘柄は「1万円ずつ買い続けた結果」。真似する必要はない

何銘柄持つかに正解はありませんが、「自分が見きれる数」という基準だけは、誰にでも当てはまると思います。僕はしばらく、新しい銘柄を増やすより、持っている164銘柄をちゃんと見る時間を増やすつもりです🧩

※本記事は執筆時点の筆者の考え方の紹介であり、将来の株価・配当を保証するものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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本記事は筆者の経験と分析に基づく情報提供であり、特定の銘柄・金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。株式投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任で行ってください。記事中の考え方・基準は執筆時点の筆者個人のものであり、将来の株価・配当・利回りを保証するものではありません。最新の情報は各企業の公式IR・証券会社の案内、およびIRバンク等の情報サイトでご確認ください。

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