高配当株投資で怖いのは「不況が来た時に配当が減ること」です。
リーマンショック、コロナ禍——市場が混乱するたびに、多くの企業が減配に追い込まれました。
しかし、そんな局面でも配当を守り抜いた企業があります。景気に左右されにくいビジネスを持つ「ディフェンシブ銘柄」です。
この記事では、経理マンの僕が食品・空調・化学素材など「生活インフラに近い事業」を持つ企業から、高配当株を6銘柄厳選しました。
攻めの高配当株だけでなく、「守りの銘柄」もポートフォリオに加えることで、どんな相場でも安定した配当収入を確保できます。
※本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
この記事を書いた人
フク|経理×投資×筋トレ
- アラフォーの会社員。上場企業で経理・財務を担当
- 新NISA満額運用中。高配当株の実践投資歴あり
- 保有銘柄数140、年間配当約12万円(税引前)
- 筋トレ歴4年。「複利で健康とお金を同時に育てる」がモットー
- ブログ「複利ノート」運営
経理の仕事では毎日、企業の財務諸表と向き合っています。その目線で「この企業は不況でも配当を出し続けられるのか」を判断し、今回の6銘柄を選びました。
なぜ「ディフェンシブ銘柄」を持つべきなのか?
高配当株ポートフォリオを組む時、利回りの高さや増配実績ばかりに目が行きがちです。でも経理マンとして一番気にするのは「最悪の事態でも配当が出るか」です。
ディフェンシブ銘柄とは、景気の良し悪しに関係なく需要が安定している業種の株のこと。
具体的にはこんな事業です。
- 食品(食べることは止められない)
- 空調・建物設備(ビルがある限り必要)
- 生活必需品の原材料(おむつ・衛生用品)
- インフラ素材(表面処理・シール材)
1本目で紹介した「高配当株10選」、2本目の「連続増配株6選」は攻めのラインナップでした。
今回は「守りのラインナップ」。不況が来ても配当が減りにくい銘柄で、ポートフォリオの土台を固めます。
経理マンがディフェンシブ高配当株を選ぶ3つの基準
基準1. 景気に左右されにくい事業を持っていること
ディフェンシブ銘柄の最大の条件です。「不況でも需要が減りにくいビジネスか?」を見ます。
食品、衛生用品、建物設備、インフラ素材などが該当します。逆に、自動車・不動産・旅行などは景気敏感株に分類されます。
基準2. 自己資本比率60%以上を目安に
ディフェンシブ銘柄に求めるのは「攻め」ではなく「守り」。自己資本比率が高い企業ほど、不況時に財務が揺らぎにくいです。
今回は60%以上を目安にしました(住友林業のみ39%ですが、理由は銘柄紹介で解説します)。
基準3. 営業キャッシュフローが安定的に黒字
配当は現金で支払うもの。どれだけ利益が出ていても、手元にキャッシュがなければ配当は出せません。
「毎年安定してキャッシュを稼いでいるか」は、ディフェンシブ銘柄では特に重視するポイントです。
【2026年版】不況に強い!ディフェンシブ高配当株6選
1. 日東富士製粉(2003)── 食のインフラを支える
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 配当利回り | 約3.9% |
| 一株配当 | 280円(2026年3月期予想) |
| 配当性向 | 71.8% |
| 自己資本比率 | 78.4% |
| 営業CF | 50.55億円 |
| 業種 | 食料品 |
三菱商事グループの製粉会社です。小麦粉・プレミックスなど食品原材料を製造しており、景気に関係なく需要が安定している典型的なディフェンシブ銘柄。
累進配当方針を導入しており、「配当を前年から下げない」と明言しています。自己資本比率78.4%は今回6銘柄中トップ。
注意点:配当性向71.8%はやや高めです。ただし累進配当方針と78%の自己資本比率があるため、短期的な業績悪化では減配しにくい構造です。原材料(小麦)価格の変動リスクには注意が必要です。
食品×累進配当×自己資本比率78%。「守りの定番銘柄」です。
2. 新晃工業(6458)── ビルがある限り必要な空調
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 配当利回り | 約4.0% |
| 一株配当 | 50円(2026年3月期予想) |
| 配当性向 | 46.4% |
| 自己資本比率 | 69.4% |
| 営業CF | 57.4億円 |
| 業種 | 機械(空調) |
業務用空調機器の大手メーカーです。ビル・商業施設・病院・工場など、建物がある限り空調設備の需要は続きます。
新規設置だけでなく、既存設備の更新・メンテナンス需要(ストック型ビジネス)が収益の安定基盤になっています。配当性向46.4%と健全で、増配余力も十分。
注意点:建設投資の動向に連動する面はあります。ただし空調の更新需要は景気に関係なく発生するため、業績の下振れは限定的です。
「ビルの裏方」として安定需要を持つ隠れたディフェンシブ銘柄。
3. 日本パーカライジング(4095)── モノづくりの裏方
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 配当利回り | 約3.5% |
| 一株配当 | 50円(2026年3月期予想) |
| 配当性向 | 35.0% |
| 自己資本比率 | 73.0% |
| 業種 | 化学(表面処理) |
金属の表面処理(防錆・塗装前処理)で国内トップシェア。自動車・電子機器・建材など、あらゆる製造業で使われる技術です。
配当性向35%は今回6銘柄中で最も低く、増配余力が最大。自己資本比率73%と財務も堅実です。
注意点:2026年3月期は減収減益予想(営業利益140億円、前年比6.7%減)。製造業全体の景気に左右される面はあります。ただし表面処理は「モノを作る限り必ず必要」な工程のため、需要が消滅するリスクは低いです。
低配当性向+高自己資本比率。「攻守兼備」の優良株。
4. 住友精化(4008)── おむつの原料を作る会社
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 配当利回り | 約3.5% |
| 一株配当 | 44円(2026年3月期予想) |
| 配当性向 | 44.4% |
| 自己資本比率 | 68.2% |
| 営業CF | 68.8億円(半期ベース) |
| 業種 | 化学 |
高吸水性樹脂(SAP)の世界大手です。紙おむつ・生理用品の原材料を製造しており、赤ちゃんや高齢者がいる限り需要は続きます。
「おむつの原料メーカー」と言えば、ディフェンシブの意味が伝わるはずです。自己資本比率68.2%、配当性向44.4%とバランスの取れた財務。連結配当性向30%以上・総還元性向3ヵ年平均50%以上を方針としています。
注意点:原油由来の原材料を使うため、原油価格高騰時にはコスト増の影響を受けます。ただし生活必需品の原材料のため、需要自体は景気に左右されません。
「景気が悪くてもおむつは必要」。究極のディフェンシブ事業。
5. 住友林業(1911)── 「木」という再生可能資源
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 配当利回り | 約3.2% |
| 一株配当 | 50円(2026年12月期予想) |
| 配当性向 | 30.4% |
| 自己資本比率 | 39.0% |
| 営業CF | 946.75億円 |
| 業種 | 建設業 |
★ この銘柄について正直に書きます。
住友林業は「純粋なディフェンシブ銘柄」とは言い切れません。住宅事業は景気敏感な側面があり、自己資本比率39%は今回の基準(60%以上)を下回っています。
それでもこのリストに入れた理由は4つです。
- 配当性向30.4%と極めて低い→業績が多少悪化しても増配余力がある
- 配当下限50円の方針→「最低でもこれだけは出す」という約束がある
- 営業CFが946億円と圧倒的→キャッシュを稼ぐ力は6銘柄中ダントツ
- 木材・山林事業は長期的に安定した資源ビジネス
注意点:自己資本比率39%は要注意です。海外住宅事業の拡大に伴い借入が増加しています。住宅ローン金利の上昇リスクにも影響を受けます。「純粋なディフェンシブ」ではなく、「ディフェンシブ要素を持つ成長株」という位置づけで保有するのが適切です。
6銘柄中で最もリスクは高いが、配当性向30%と営業CF946億円の「余力」が魅力。
6. バルカー(7995)── 工場を止めないシール技術
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 配当利回り | 約3.6% |
| 一株配当 | 130円(2026年3月期予想) |
| 配当性向 | 56.4% |
| 自己資本比率 | 64.9% |
| 業種 | 化学(シール製品) |
産業用シール製品の大手メーカーです。石油化学プラント・製鉄所・半導体工場など、あらゆる産業設備の配管や機器に使われるシール材を製造しています。
工場が稼働する限り消耗品として必ず需要があるビジネスモデル。半導体製造装置向けも手がけており、成長分野にも足がかりがあります。自己資本比率64.9%と財務も安定。
注意点:半導体市況の変動により業績が揺れる面があります。ただしシール材は「消耗品」のため、景気が悪くても交換需要は続きます。
「工場の消耗品」を作る会社。地味だが不況でも止まらないビジネス。
6銘柄の一覧比較表
| 銘柄 | コード | 業種 | 利回り | 配当性向 | 自己資本比率 | ディフェンシブ度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日東富士製粉 | 2003 | 食料品 | 3.9% | 71.8% | 78.4% | ★★★★★ |
| 新晃工業 | 6458 | 機械 | 4.0% | 46.4% | 69.4% | ★★★★ |
| 日本パーカライジング | 4095 | 化学 | 3.5% | 35.0% | 73.0% | ★★★★ |
| 住友精化 | 4008 | 化学 | 3.5% | 44.4% | 68.2% | ★★★★★ |
| 住友林業 | 1911 | 建設業 | 3.2% | 30.4% | 39.0% | ★★★ |
| バルカー | 7995 | 化学 | 3.6% | 56.4% | 64.9% | ★★★★ |
6銘柄の平均:配当利回り3.6%、配当性向47.4%、自己資本比率65.5%
※ディフェンシブ度は筆者の主観的評価です。投資判断の基準としてではなく、参考としてご覧ください。
ディフェンシブ銘柄で失敗しないための3つの注意点
1. ディフェンシブ=絶対安全ではない
不況に強いとはいえ、業績悪化がゼロになるわけではありません。リーマン級の不況では、ディフェンシブ銘柄でも株価は下がります。ただし配当の維持力は景気敏感株より格段に高いのが特徴です。
2. 利回りは控えめなことが多い
今回の6銘柄の平均利回りは3.6%。1本目の10選(平均4.2%)より低めです。ディフェンシブ銘柄は「利回りの高さ」ではなく「配当の安定性」で選ぶもの。利回りだけを追うと、本来の目的を見失います。
3. 配当性向が高い銘柄は増配余力に注意
日東富士製粉(71.8%)のように配当性向が高い銘柄は、累進配当方針があっても増配のペースは緩やかになりがちです。安定を求めるか、成長を求めるかで銘柄の優先度が変わります。
経理マンの実践:ポートフォリオに「守り」を入れる
ポートフォリオの理想は「攻め」と「守り」のバランスです。
僕の場合、高配当株ポートフォリオの3〜4割をディフェンシブ銘柄にしています。残りの6〜7割は利回りや増配力重視の銘柄です。
こうすることで、景気が良い時は攻めの銘柄がリターンを稼ぎ、不況時はディフェンシブ銘柄が配当を守ってくれます。
「配当金が途切れない安心感」があると、暴落時にもパニック売りせず冷静でいられます。これが長期投資を続けるための最大の武器です。
高配当株を始めるならおすすめの証券口座
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| 証券会社 | 強み | 単元未満株 | 国内株手数料 |
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僕は楽天証券でNISA枠はS&P500、特定枠で高配当株を購入しています。 SBI証券の口座も持っており、以前はSBI証券で高配当株を購入してましたが、管理が面倒になり、NISA口座をもっていた楽天証券にまとめました。 個別株はSBI証券の方が、単元未満で購入できる銘柄が多いので、SBI証券もおすすめです!
単元未満株(1株単位)で買えば、数千円からディフェンシブ高配当株投資を始められます。まずは1株から試してみてください。
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まとめ|「守りの銘柄」がポートフォリオの土台になる
高配当株投資で本当に大事なのは、「良い時にどれだけ稼ぐか」ではなく、「悪い時にどれだけ守れるか」です。
今回紹介した6銘柄は、食品・空調・表面処理・衛生素材・住宅木材・シール製品と、いずれも「景気が悪くても需要が消えにくい」事業を持っています。
利回りは控えめでも、配当の安定感は抜群。ポートフォリオの土台として、まずはここから始めてみてください。
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免責事項
本記事は筆者個人の見解であり、特定の銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。株式投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。本記事の情報は2026年4月時点のものであり、最新の株価・配当情報は各証券会社や企業のIRページでご確認ください。


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